【全文掲載・その3】ながとし恭子 大野城市市長選挙公開討論会
健康・福祉について
〔健康・福祉〕
今回のコロナ禍で政治と暮らしが直結していると私たちに気づかせたのは、特に健康と福祉の分野ではないでしょうか。
ワクチン、自宅療養、給付金の支給などなど、コロナ関連の業務をされている職員の方々は本当に大変で多忙な業務をなさっていると思います。頭が下がります。ただ、このような危機に際しては、通常の職員配置に余裕が必要だったのだと言えます。効率優先、人件費の抑制のために職員数を切り詰め、全国的に見ても大野城市は人口あたりの職員数が少ないです。そのことが対応の遅れにつながっていないでしょうか?ムダはダメだけど余裕は必要。難しいことですが、適切な人数の正規職員の確保と配置を行ないたいと思います。
健康や福祉においては、困っている人不安がある人たちの方から助けを求める、相談しに来るのを待つだけでなく、困っている人を見つけ、職員がこちらから出向いていく、アウトリーチにも積極的に取り組むべきだと考えています。生活困窮者など困っている人の中には自ら声を上げることができない人もいます。いくら行政がさまざまなメニューを作っても、市の健康対策や福祉制度を知らない人もいます。ホームレスの支援で、福岡市では市から委託を受けた社会福祉士が外回りをしてホームレスの方を見つけ、話を聞き、その人に適した次の支援につないでいました。生活に困窮している人、健康に不安がある人を早期に発見して、できるだけ早く支援に結びつけたいと思います。その際、経験のある相談員さんの知識やネットワークが活きると思います。
それから、健康の土台となる体作りのために、食は大事です。ここでも子どもの健康のために給食が必要、できれば将来的には有機野菜などのより安全な食材を用いた給食を提供したいと思っています。高齢者についても栄養失調、低栄養が問題だと言われています。低栄養は認知症リスクを高めたり、免疫力を低下させたり、運動機能低下のリスクを高めたり、健康問題を引き起こすのではないかと言われています。社会福祉協議会の配食見守りサービスを拡充したいと考えます。
大野城市は東西に長い形で、交通網の整備も距離が長くなり難しい面がありますが、車、自家用車がなくても移動できる交通網を構築することが必要だと思います。今後、さらに高齢化が進むと考えられ、住宅地が広がる地区などでは、買い物に行くこと、買い物荷物を持って帰ること、それから市役所やまどかぴあなどの中心地に行くのも大変です。高齢者が自家用車を運転しなくても快適に生活できるように、公共交通網を見直さなければならない時期に来ていると考えます。現在のまどか号は、便数が少ないから不便、不便だから利用者が少ない、利用者が少ないから、便数が少ないという悪循環になっている気がします。ルートの見直しや、近隣自治体と相互乗り入れするなどして利便性を高め、利用者が増やし、便数を増やしてさらに利便性を高めたいと思います。公共交通網の整備は二酸化炭素の削減、カーボンニュートラルの実現にもつながります。さらに、発想を変えて、例えば、予約制でいいので、乗り合いバスや乗り合いタクシーなど、高齢者の足の確保を考えたいと思います。
全国で高齢ドライバーが引き起こす悲惨な交通事故がたびたび起こっています。しかし、大野城市には、高齢者の運転免許の返納を支援する施策もありません。移動手段の確保は、高齢者の福祉と、それから免許の返納を促し交通安全のために必要です。