大野城市議会議員 ながとし恭子 通信 2024年8月夏号
皆さん、朝ドラ『虎に翼』ご覧になっていますか?女性の置かれた状況は今もそれほど変わっていないと多くの共感を集めています。「そんな時代もあったね」と笑えるようになるのはいつにな るでしょうか。「現実って何ですか?理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずじゃないですか」「正論は見栄や詭弁が混じっていてはだめだ。純度が高ければ高い程威力を発揮する」このようなセリフも胸に刺さります。7月、最高裁が旧優生保護法を憲法違反だとする判決を出し、本人の同意なく強制的に不妊手術をされた方々の損害 賠償が認められました。久しぶりの嬉しいニュースです。20年で権利が消滅する「除斥期間」の適用が制限されたこ ともよかったと思います。正義は生きている、そんな思いがしました。 憲法の人権規定は、多数決で奪えない、少数者の人権を守るためにあります。
民主主義イコール多数決ではない!
パワーハラスメント(パワハラ)問題
令和6年第3回6月定例会(2日目)
職員からパワハラの訴えのあっていた毛利副市長の再任議案に 対し質疑を行いました。私が直接見聞きしたり相談を受けたわけ ではないのでパワハラという言葉は使いづらく、表現に苦労しました。しかし、職員がつらい思いをしており、メンタルの病休職 員が多い状況と考え併せて、職員との信頼関係は築けているか、 市長の耳にマイナス評価は届いていないのかなど質問しました。
起立採決で、私が所属する会派未来フォーラムの3人を含む8人が再任に反対しました。しかし、他は起立して賛成し、反対8賛成11で副市長は再任されてしまいました。
後から、再任に賛成した議員を中心に15人の議員が議会に諮ることなく、パワハラは副市長だけの問題ではないとしてパワハラ防止の要望書を市に提出したそうです。そうであれば、再任に反対してほしかったです。
大きな声で怒鳴られると身がすくみますよね。
職員が市長をはじめ上司の顔色ばかり窺い市民の方を向いていないのではないか、職員が委縮して職場環境が悪化し十分に能力を発揮できていないのではないか。市長、 副市長、そして市職員の真の雇い主は、市民の皆さんです。パワハラは行政サービスの質にも 影響することなので関心をもっていただきたいと思います。
パワハラやセクハラなどのハラスメント、いじめ、そして差別の問題は 、 ジャニーズの性加害問題に見られるように 、周りの人も知っていたり薄々感づいていても、自分は直接見聞きしていないし詳細を知らないから、逆に攻撃されたら、いじめられたらどうしようと自分の保身を考えて見て見ぬふりをして被害を拡大させてしまいます。被害者が直接訴え出るなんて報復が怖くてなかなかできません。パワハラ対策には独立した第三者機関が必要です。
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一般質問
令和6年6月定例会 18日(火)
※質問項目をクリック(タップ)すると録画の該当位置から再生されます。
1.中学校の食事に関するアンケート等について
アンケートは現在の選択制を維持存続させるためで、結果の分析が十分でない気がします。今回も昼食を食べていないと回答した生徒がいます。質問の仕方を含めアンケートの見直しを行ってほしい。その他給食時間が短か過ぎることについて質問しました。
2.ジェンダーギャップについて
今年度も女性の部長はいません。本市は会計年度任用職員が多くその大部分が女性なので、男女の給与の差異が大きいです。東京地裁で「間接差別」を認める初めての判決が出ました。今後「間接差別」の概念は拡大していくと思います。
3.こども食堂と公民館について
今年度、区で行う子ども食堂の費用として、市内28区に一律6万円の予算がついています。公民館の土日利用促進と地域の方々の居場所づくりが目的だそうです。
区によって世帯数も状況も異なるのに一律6万円支給でよいのか。そして、7人に1人の子どもが貧困と言われており、「子どもの貧困対策法」が改正され「こどもの貧困解消法」になったのに、子どもの貧困対策が第一の目的ではないことは少し残念です。他に、公民館を、熱中症を防ぐためのクーリングシェルターに活用できないか質問しました。
2024年4月23日~28日、九州自治体議員平和友好訪中団の一員として北京と南京に行きました。天安門事件の翌年1990年に北京に行ったことがあり、現在の中国をこの目で見たい、中国人民抗日戦争記念館や南京大虐殺記念館、盧溝橋を訪問したいと思い参加しました。
2024年の北京は、高層ビルが林立するエリアがあり、幹線道路は道幅が広く、街路樹が植えられ緑があり、車が多く時間帯によってはとても渋滞し、大型商業施設もあり、高いビルと緑と自転車やバイクも多い都会でした。緑化が進んだおかげで空気が汚いという事もなくマスクも必要ありませんでした。スマホも普及し、キャッシュレスの店も多く、電気自動車もかなり走っていました。実証実験中の完全自動運転の車に試乗したり、電気自動車のための電気スタンドを遠隔で管理するICT企業や家電からスマホや車まで造っている企業シャオミーの製品展示を見学させてもらいました。北京→南京→上海の移動で、新幹線、地下鉄、リニアモーターカーにも乗りました。
34年前とすっかり様変わりした中国の様子に驚きました。中国人民抗日戦争記念館と南京大虐殺記念館では、日本語での説明をイヤホンで聞きながら回りました。展示資料はとても悲惨で生々しく、どんなことがあっても二度と戦争をしてはいけないとあらためて思いました。中国でいろんな人と会い、一人一人の個性を感じることができました。陽気な人、引っ込み思案な人、さっぱりした人などいろいろで、私たちと何も変わらない気がしました。中国人、日本人とひとくくりにしてはいけない、政府とそこに住む人々は分けて考える必要があると思いました。相手を知れば親近感も湧きます。人と人の交流が平和構築の基礎になると思います。
1962年 筑紫野市出身 / 1981年 福岡県立筑紫丘高校卒業 / 1986年 九州大学法学部卒業
1986年 福岡県庁入庁 総務部管財課 出納事務局総務課 嘉穂福祉事務所 総務部人事課勤務
1998年3月 福岡県庁退職
2010年~2017年 福岡市就労自立支援センター勤務(NPO法人福岡すまいの会)
2017年~2019年 公益社団法人福岡県保育協会勤務